「異ノ邦ノ人へ」がまもなく上演されます!

僕の作・演出する舞台「異ノ邦ノ人へ」が9/12から上演されます!

アルベール・カミュの「異邦人」から着想を得た今回の作品。つか先生も強く影響を受けたようで、改めて読み返すと「熱海殺人事件」との共通点がいくつも見つかります。

もともとは、新聞記事にもならないような事件。
犯人が人を殺したことは間違いなく、その動機にも注目するところはない。
それが判事の手によって、まるで史上稀に見る凶悪事件かのように仕立てられていく…。

まったく別の作品を作っているはずなのに、僕ら自身「熱海」について、新たな発見の毎日を過ごしています。

そのことを9PROJECTのブログにまとめましたので、ぜひぜひこちらも読んでください!

小説の中でも特に印象的なシーンとして、処刑を前にした犯人と、懺悔を求める神父との激しい応酬があります。今回の「異ノ邦ノ人へ」では、この「犯人と神父の対決のシーン」をググッと拡大して、作り上げました。

神父の語る「正しさ」は、世間一般の正しさではあっても、犯人の男にとっては違います。ある種の「正しさ」を押し付けられるせいで、生きづらくなってしまう…というのは、パワハラ・モラハラなどといった言葉で、現代でもよく話題になる問題です。

その生きづらさの中から、犯人の男が選んだ“人生”とは何か。
ぜひ皆さんの目で、目撃していただきたいと思います。


9PROJECT vol.10「異ノ邦ノ人へ」

作・演出=渡辺和徳
出演=高野愛・相良長仁(北区AKT STAGE)・中村猿人(劇想からまわりえっちゃん)・白神さき・農坂夢香

日程=2019年9月12日[木]〜16日[月祝]
会場=キーノート・シアター
席種=自由席
料金=一般 3,500円 / 学生 2,500円 (前売当日とも)

STORY

ある浜辺で、一件の殺人事件が起こった。
殺されたのは、外国人の男。撃ち込まれた銃弾は——5発。犯人は悔恨の情も見せず、男を殺した理由について、ただこう語った。
「太陽が眩しかったから」
陪審員は、ためらうことなく死刑を宣告した。

処刑を間近に控えた夜、牢を訪れた神父は犯人に懺悔を勧める。最期の時に、寄り添おうとする神父をあざ笑いながら、犯人は自らの人生を語り始める。

“彼”はなぜ男を殺したのか。
なぜ“彼”は死刑にならねばならなかったのか。

全ての救いを拒絶して、犯人は処刑台へと向かっていく…。