演出のやり方講座

ここでは初めて演出に挑戦してみようと思っている方のために、“演劇”における“演出”のやり方をできる限り簡単に書いてみたいと思います。
「脚本の書き方講座」の方では、演劇に限らずテレビドラマや映画、小説を書く人に向けて、物語の作り方に焦点を当てて書きましたが、こちらのページでは純粋に演劇における演出のやり方を解説します。

もちろん、一口に演出のやり方と言っても、その方法論は世の中には山ほどあります。すでに演出の経験がある方がよりレベルアップをしたいと考えるなら、もっときちんとした先生について学ばれることをお勧めします。ですが中学生・高校生の演劇部で練習をしている方、社会人でこれから芝居をやってみようと考えている方など、やってみたいんだけど「演出って何したらいいんだ?」と悩んでいる方には、参考になるかもしれません。

繰り返しになりますが、ここで解説しているのは、その中のある一つの方法にすぎません。方法論は、いくつ持っていても損はありません。たくさん学んでください。そして一番の勉強方法は、トライ&エラー=実践である、ということを忘れないでください。実際に舞台を作ること以上に、学べる手段などありません。

そして、演出のやり方と脚本の書き方は、実はとても密接な関係にあります。
なぜなら演出とは、脚本に書かれたことを具現化する上で行われるすべての過程を言うからです。書き手の意思を無視した演出はあり得ないわけですから、脚本を書く上で重要なポイントは、同時に演出する上で重要なポイントなのです。ですから、この講座の中でも、脚本の書き方のページと行ったり来たりしながら解説をしたいと思います。


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内容は、まったくいっしょです(笑)ゆっくり読みたい方だけどうぞ。





演劇とは何か?

はじめに、演劇とは何かということを定義しておきましょう。
演劇には基本となる4つの要素があります。それはすなわち、戯曲、俳優、舞台、そして観客です。

戯曲

戯曲はもちろん、演劇におけるもっとも重要なものです。
演出者は脚本を理解し、どう表現するかを考えなくてはなりません。
そのために、戯曲=物語とはいったいいかなるものであるか、ということを理解していなくてはなりません。

俳優

戯曲には必ず人物(たとえ人間でないにせよ)が出てきます。
紙に書かれた人物を具現化するにあたっては、俳優という人間の肉体が必要になります。僕はよく、この“肉体”という言葉を使うのですが、どんな“肉体”をもった俳優が役を演じるかによって、その演劇は大きく姿を変えます。

舞台

そしてもちろん、俳優が演じる場所が必要になります。
ある脚本を具体化するにあたってどんな舞台をどう使うのか、ということは、演出に置ける重大な要素ではありますが、このページでは割愛します。

観客

これは、当たり前すぎてよく忘れられてしまうポイントなのですが、観客のいない演劇は演劇ではありません。少なくとも、僕はそう定義しています。
物語とは人に“伝える”ためのものです。

読み手のいない小説は、小説足り得るでしょうか?
観客のいない演劇や映画は、演劇(映画)足り得るでしょうか?

もちろん、たとえ観客がいなくても上演されればそれは演劇である、という考え方もあるでしょう。
ですがそれは、脚本を読んだときに頭の中で思い描かれる演劇と同じ、うつろなものに過ぎません。どんな物語も、だれかに伝わって初めて完成するのです。

これは演出者が、決して忘れてはいけない重要なポイントです。
作っただけでは、完成ではないのです。観客に見せただけでは、完成ではないのです。伝わって初めて完成なのです。

この4つの要素をふまえた上で命題に戻ると、演劇とは「ある一つの物語を、その物語に登場する人物を表現するに足る肉体を持った俳優によって、舞台において実際に上演され、観客に何かを伝えるもの」ということになります。

当たり前の結論ですか?
ですが僕は、これが忘れられた状態で作られた演劇を、山ほど見たことがあります。

演出/演出者とは何か?

では、演出とはなんでしょう?
先ほどの演劇の定義から導き出すなら、演出とは「ある物語が伝えようとすることを、俳優の肉体を通して、舞台の上に具現化し、観客に正しく伝える作業の全過程」であると言えます。そして演出者とは「その全過程を正しく進行し、ある一つの思想においてパッケージ化する人間」です。

今、パッケージ化という新しいキーワードを使いました。
それはいったいどういうことなのか、まずは物語というものについて解説しながら見ていこうと思います。

目次

1. 物語とは何か?

物語とは何かということを考えてみましょう。実はこれが演出をやる人間が、最初にきちんと理解すべきポイントです。

2. 演出の全過程

ここで、演出と言われる物語の具現化の全過程をザッとまとめてみましょう。各行程において注意すべきポイントを、簡単にまとめてあります。

3. 脚本の理解

上演する脚本が決まったら、演出者が真っ先にやらなくてはならないことが、その脚本の理解です。

4. 配役をする

登場人物にどんな俳優をあてるかというのは、物語を具現化する上でとても重要なポイントです。

5. 立ち稽古〜動き

次にやるべきことは、舞台上の動きを作ることです。身振りや仕草のことではありません。舞台上の俳優の配置のことです。

6. 立ち稽古〜細部

稽古とか、演出とかいわれて、みんなが想像するのがこの部分です。いくつか、注意しなくてはならないポイントを説明したいと思います。

7. 演出の心構え

演出者の創造性が最も発揮される部分はどこでしょうか? 演出の仕事は俳優にダメだしをすること、と思っている人は、ここで大きな過ちを犯します。

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